■車両は日産セレナ、バックしていて右テール部分に鉄骨が刺さった、というケースでした。 【破損部分】右テールに鉄骨が突き刺さり、ボディーフェイスが縦15cm横20cm 奥行き15cmにわたり陥没、バックドア・ガラスがそれにつられる形で粉砕するというものでした。 日産車はトヨタに比べサイドビームがしっかりしているのですが、今回のセレナはそのサイドビームごとぼっこり入っています。 |
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■簡単な修理工程・手順としては、 ①バンパー、レンズ 内装 3列目シート すべて外す。 ②フェイスを切開して 中外からどうにかビームをいったん引っ張り出して、サイドボディーを中に入れてやります。(約3~5mm) ③サイド リヤ双方にミリ単位で修正を加える サイドビームは変形しないための中骨のようなものですが、事故の衝撃で車両内部に向けて入っているので、ハンマリングや牽引、あの手この手でこれを引っ張りだします。 昔の職人さんはアセチレンであぶって焼いて出していたそうですが、今回のケースでは後々のさび防止のため、出来るだけ焼きません。 あまり焼いてしまいますと金属が内側から錆び朽ちてしまうことがあります。 原理は袋部分の焼きいれたあと、内側をどうして防錆していたかですが…恐ろしいことに、昔の補修ではそのまま放置していたのだそうです。 ④さて、ここからが技術と腕の見せ所。セレナのように凸面になっているテールパネルは三次元に修正するのは至難の業で、場所によっては大きく切り貼りしてしまう場合もありますが…今回はゲージを使い、手叩きで立体整形しました。この作業に4日半。 ⑤十分採寸し、ズレが無いことを確認の上で、内側から溶接補強します。 ⑥後はゆがみが無いことを確認した後、ボディーフェイスを整えて塗装・磨き・ガラスコーティングを行います。 |
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以上の作業を、依頼者様がディーラーに見積もり計算を出して貰ったところ… 費用はなんと57万円、納期は2~3ヶ月かかるという驚きの結果が出され、苦笑しながら断ったそうです。 もちろん、ディーラーは上記の様な修理を自身で行うわけではありません。下請け業者に中間マージンを取って飛ばすだけなのですが…ちょっと費用計上が盛り過ぎですね。 |
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このセレナを修理したのは約一年前。 今でも依頼者様は当店を御愛顧いただいており、補修した車両を見ることができますが…今のところ修理部分は『なんかあったの』といった感じでまったく違和感はありません、と好評頂いております。 さて、問題の費用と日数についてですが… 修理期間・作業3~4週間。費用もディーラーの半値以下、24万くらいだったと記憶しています 。 |