公戦記 第三話〜ちょうけいこうせんき だいさんわ〜

 

『三好の夜叉姫、登場す。』

 

 


 

  おいおい、まだけーへんのかいな・・・弱ったなぁ。
     愚図愚図しよったら、もうすぐ第三話の幕が開いてまうでないかダ…。
 ホンマやー。政康のヤツ、いったい何処をほっつき歩いとんねやーッたくぅ・・・。

 ん。どうしたのじゃお笑い三人衆、浮かん顔をして。
 あ、御館様。
     いやね、そろそろ幕が開くけん、いつもの様に一発ぶちかもそかいな思いよったら
     ですね、政康のヤツが居らんのです。これじゃあ、コントになりませんわ。
 ・・・それは困ったのう。お前達三人衆にツッコミを入れん事には、
     儂も何だかこう、調子が上がらん。・・・お前達二人で、何とかならんのか。
 ぁあ、其れが出来たら苦労しませんワ。トリオがメンバー一人欠いたら
     安定感が無いんはしゃあないこってすしね。・・・あー、どないしょう。

(舞台のソデより、ツカツカと政康が登場。舞台の下の観客から拍手が沸く。)


 ごめんさいっ。

 (腰砕けに床にすっころぶ。ここで大坂のおばちゃんの笑い声が入る。)


 こらまた さいッ。

 (床から起き上がろうとした処、もんどうりうって転倒。大坂のおばちゃんの笑い声。)

 ああ さーっ。

 (四つん這いになって立ち上がろうとする所をまた転倒。顎を打って悶える長慶。


あ、君達が居て、
         僕がいるッッ!!!

            (チャーリー浜のしおらしい動作で三好粉吹を手に持ち、政康の頭を思いっきり強打)


 しまったしまった島倉千代子ッ!!!   )゜Д。)・∴;;。ブハッ 
 マサルーしっかりせえ、まさるー。;;(弱弱しい、高いトーンの声で)  ( :ヮ:ノ)ノ )゜Д。)゛
 いい加減その路線かられてください。てゆーか、最後のネタはダウトッ。 



剣豪将軍・足利義輝アシカガヨシテルを出し抜いて室町御所を攻略、室町幕府を滅亡させた長逸軍は
京洛を完全に占拠した上で足利二両引の旗を破却し、新たに三好釘抜の旗を翻らせた。
かくして1562年4月、長慶は上を達成し、旧幕府体制の支配権を掌握した。

疲弊しきった京洛の町並みや民衆を見た長慶は、家臣団を室町御所に招聘。
室町幕府に替わる新しい権威を打ち立て、天下に安寧をもたらす為に
天下に号令を掛けることを、高らかに宣言したのであった──。



 ふゥむ。・・・上洛も達成したコトだし、俺は堺に帰って茶飲み三昧の日々でも
     送ろうかなぁと思ってたンだが、まだまだこれから忙しくなりそうだナ。 (´・ω・`)旦~~
 京洛は完全に掌握いたしたとは言え、まだまだ日本各地には
     三好家の威光に従わぬ大名が居りますれば、まだまだ天下静謐とは言えますまい。
 うむ。室町幕府が滅んだ今、我が三好家は日の本に新たなる秩序を打ち立てねばならぬ。
     そのためには、是が非でも大将軍の叙任を受け新しい幕府を、
     古の鎌倉幕府の様な確固たる武士政権の基盤を構築せねばならん。
     ・・・我らの戦いは、これから始まるのじゃ。

     政康、今の日ノ本の現状がどうなっておるのか、報告いたせい。
 へい、御館様。(´・ω・`)ノ゛
     まずはですけんども、
     京洛以東では近江守護職・六角ロッカクヨシハルの勢力が強大ですヮ。
     足利将軍家の後ろ盾として管領細川家と同盟を結び、
     我ら三好家とも度々刃を交えておりましたけど、1560年8月になって
     六角家に従属 していた北近江 浅井家の当主・浅井久政アザイヒサマサが
     六角家への従属を不満とする家臣団の突き上げを喰ろうて隠居 に追い込まれ、
     子の浅井アザイナガマサが浅井家総領に就いたようです(イベント『凡将の退陣』)

     長政は六角家より迎えていた姫を送り返して六角家から離反、以来両家は戦闘状態です。
     戦況は、どちらかっちゅうたら国力で勝る六角軍がのようです。

     また、大和国には奈良興福寺門徒衆を率いる筒井家
     紀伊国には、大坂から本拠を移した本願が勢力を張っておりまする。

     地方では、やはり桶狭間の合戦で海道一の弓取り・今川イマガワヨシモト を
     劇的に葬り去った、尾張の織田オダノブナガ が優勢です。
     1560年末には、三河岡崎城ミカワオカザキジョウの城主・石川数正イシカワカズマサを篭絡して
     三河国を無獲得し、遠江国に向かってじわじわと勢力を拡大しております。

 ん?・・・織田家が、岡崎城を獲得したのか。・・・と、云う事は、だ。
 御意。イベント『清洲同盟』(松平元康が徳川家康に改名、岡崎城にて独立)が発生いたしませぬ。
     よって、徳川家康は一生ヒラきです。…ざまぁ見やがれ、狸爺が。 ( ゚д゚)y-~~)

 ホウ、そりゃ残念だのう。勇猛で鳴る三河武士団と一戦交えて見たかったのじゃがな。
 御意に、ござりまする。・・・いよいよ脳まで筋肉かこの馬鹿十河は。強敵が減ったんだから素直に喜べ。
     っていうか、漏れが毎日テメエの晩酌に盛ってるネコイラズの効果は何時になったら出てくるんだ。
( ゚д゚)y-~~)

 ・・・ン。何か云ったか陰険爺ィ。
 ・・・いえ、何も申し上げておりませぬ。。・・・こいつは鼓膜まで筋肉で出来てやがんのか。 (;゚д゚)y-~~)
 関東信越では、やはりと言うべきか甲斐信濃守護職・武田家の勢力が活発です。
     北信濃では飯山城イイヤマジョウを攻略して信濃における越後上杉家の影響力を駆逐し、
     武蔵国では上杉家に組する諸豪族を次々と打ち平らげ、武蔵忍城ムサシ オシジョウ、
     上野館林城コウヅケ タテバヤシジョウにまで勢力を拡大しております。

     また、越後国大名・長尾景虎ナガオカゲトラが関東管領・山内上杉憲政ヤマノウチ ウエスギノリマサの
     養嗣子となって関東管領職を受け継ぎ
     名乗りを上杉ウエスギケンシンと改めたようです(イベント『関東管領就任』)

     謙信は関東管領職として、甲斐武田家や相模北条家を『関東の平和を乱す凶賊』 と糾弾し
     合戦を繰り広げとる様やけど、武田軍の前に信濃飯山城ほか三城をしとります。
     家臣の量・質とも武田家に劣っとりますし…あんま、ええ旗色とちゃうみたいです。

     特に、上野箕輪城コウヅケ ミノワジョウ の城主で、
     武田『彼奴の存命中は上野に手が出せない。』 とまで言わしめた
     名将・長野ナガノナリマサ が病没したのは、関東経営に置ける大きな痛手のようですヮ。
 武田家に上杉家か。いずれは、刃を交える時も来よう。

     ・・・とりあえず、我が三好家の今後の方針は『畿内一』に定めようと思う。
     本拠地である河内高屋城も、南に大和筒井家・紀伊の一向宗門徒衆を抱えており
     累卵の危うさといっても過言では無い様相だ。
     さしあたっては、まず大和国の筒井ツツイジュンケイの攻略を目標とする。
     何か存念のある者は、遠慮なく申すが良い。
 大和筒井家には、先ほど滅亡した室町幕府重臣・和田惟政ワダコレマサを
     始めとする人の武将が集まっておりますれば、力攻めで落すのは至難の業かと。
     ・・・ここは、戦の前に諜略を用いて筒井家の内部分裂 を狙うべきと存じまする。
 御意。その段は、是非それがしにお任せ下さ・・・

 【????
 恐れながら御館様、その手筈は私にお任せ下さいませ。

 !!?・・・。・・・何者だこの小娘は。悪巧みで俺と張り合おうとはいい度胸だ。 ( ゚д゚)y-~~)
 む・・・真琴か。
     先に申して置くが、敵城に乗り込んで直接敵将と対面し、内応の約定を取り付ける任務ぞ。
     それを承知で申し出たのであろうな。
 私も三好長慶の娘に御座りますれば、覚悟は出来ておりまする。
 その言いや良し。・・・よかろう。
     弾正、真琴。その方らは大和筒井家に潜入し、敵将から合戦の際の内を取り付けよ。
     我が軍が大和多聞山城ヤマト タモンヤマジョウを攻める際の足掛かりとしようぞ。
     他の者は所属している城の内政・軍備活動に着手せよ。
     策略の手筈が整い次第、室町御所より出立とする。
     ・・・今宵の評定はこれまでじゃ。各々、良く主命を果たす様に。
 ははっ!


 ・・・おい、日向守(ヒュウガノカミ。長逸の受領名ズリョウメイ。)、ちょっといいか。
 は、なんでござりましょうか義賢様。
 今日の評定に参加していた若い女御、あれは何者じゃ。・・・長慶兄ぃのか?
 義賢様、可愛い御の顔を見忘れたんですか^^;
     あの御方は御館様の愛娘、【三好真琴】ミヨシマコト姫ですがな。
     去年の正月に髪結いの儀式が済んだんですけど、どーも御館様が娘としてで無しに、
     武将として育てると決めたみたいなんですヮ。
 ああ、誰かと思っとったら、あのはねっかえりのお転婆姫だったのか。
     いやー、暫く見ぬうちに女らしゅうなったものだ。あの様に見目麗しい姫君に
     育ったのであれば、さぞかし良い政略結婚の駒になったであろうにのう。
 まぁ、御館様の事だ。強気の真琴姫に言いくるめられて、
     仕方なく姫武将として幕下に加えたのであろうよ・・・

     ってなんだこの政治98、智謀94というのは。(汗



 ・・・姫武将の能力は、【父親や祖父・母方の父親らの能力の平均±10】 で求められるからな。
     本作『烈風伝』では、親父殿(四兄弟の父・三好元長ミヨシモトナガ)や母方の父が
     設定されてないモンだから、単純に【長慶兄ぃの能力±10】 で計算されたんだろう。
 ・・・長慶兄者は、確か政治90、智謀84だったな。
     うむ、見事な迄にロケットで突き抜けたな。
 御意。これで、あの奸智に長けた弾正少弼も、迂闊な真似は出来ますまいて。(笑

 ・・・。はッ、何をぬかしてやがるウスラどもが。儂の智謀は99だぞ。
             格の違いというのを見せてやろう。長慶にも、あの小娘にもな。クックック…
( ゚д゚)y-~~)




・・・かくして、新しい秩序の構築・天下静謐を目指さんと邁進を開始した三好家であったが、
まるで摩利支天がその流れを祝福するかの様に、次々と追い風が吹き始める。
同年5月には、摂津伊丹城セッツ イタミジョウ の独立勢力であった伊丹親興イタミチカオキ が
三好家の威光にひれ伏して三好政権に参加を表明、伊丹城をけ渡す

 【伊丹親興】イタミチカオキ
     今や主家・細川京兆家は没落し、室町幕府も滅んだとあっては三好家に楯突く理も無い…。
     一族郎党の為にも、今は名を捨てて実を取ろう・・・。

11月には、阿波白地城アワ シロチジョウ に攻め込んできた長宗我部軍を撃退し、
長宗我部家宿老・吉田孝頼ヨシダタカヨリ を捕縛、なんとその登用にする。
吉田孝頼は長宗我部家の軍事制度『一領具足』の発案者で
同家に40年以上も仕えた歴戦の老将であり、智謀80を誇る謀将であった為
長慶はこの帰参を事の他喜んだのだった。

 【吉田孝頼】ヨシダタカヨリ
     ・・・かくなる上は是非も無し。長慶殿の夢に、力をお貸しいたす。


そして、少し時を遡って同年9月の事。
真琴は、大和筒井家を内部から切り崩すべく多聞山城に乗り込んでいた。
接触した相手は今は無き室町幕府の重臣で、山城勝龍寺・室町御所攻防戦の際
三好家の軍勢相手に気を吐いた侍大将・和田惟政忠誠度41
その忠誠度からして、惟政の内応は間違いないと思われていたのだが・・・。

 和田惟政殿、もはや貴方が忠誠を誓った室町幕府は潰えました。
     かつて足利将軍家の為に力を尽くされた、研ぎ澄まされた刀剣の如き惟政殿が
     この様な処で朽ちて行かれる事は、天下にとって大きな損失です。
     次の合戦の際には我が三好家に返り忠し、その力を生かされては如何でしょう?


 【和田惟政】ワダコレマサ
     ・・・何を言い出すかと思えば、浅ましい事を。
     この儂が、かような話に耳を貸すとでもっていたのかッ!(゜Д゜#)
     者ども出会えッ 出会えぃぃ!三好家の間者が紛れ込んで居るぞッ!!
 ・・・!!? 惟政殿、後悔召されられぬようッ・・・これにてゴメンッ。;;(脱兎


真琴の調略失敗を受けて、遂に稀代の梟雄・松永久秀が動き出した。
久秀が接触した相手は紀伊雑賀衆の郎党で、大和筒井家に流れ着いていた
足軽頭・岡吉正オカヨシマサ忠誠度31であった 。

 ・・・吉正殿。儂ゃ綺麗事を言いに参ったので無いのでな、率直に言いますぞ。( ゚д゚)y-~~

     三好家に返んなされ。

     筒井家は奈良興福寺門徒で、厳しい戒律を守った生活をしておる故
     貴公もここ暫く飲む打つ買うをやっとらんだろう。(爆

     次の合戦の際、城内より返り忠をして多聞山城内を引っかき回せば
     長慶殿の覚えも目出度くなるし、褒賞も出よう。・・・さすれば、

     祇園の でキレイ処を侍らせて酒呑んで、その後は
     (以下略) して(以下略)
までやっちゃったりなんかしちゃったりしてウッハー(゜∀。*)

     なコト請け合いですぞ。いやマジで、うん。( ゚д゚)y-~~

 【岡吉正】オカヨシマサ
     その話、った。(゜∀゜*)ィェァ。
 よくぞご決心なされた。長慶殿も、お喜びになるであろう。
            ・・・いやぁ。自分に正直な馬鹿は、扱いよくていいわ。 ( ゚д゚)y-~~)

かくして松永久秀の調略により、鉄壁と思われた大和筒井家の家臣団の結束は緩んだのであった。



<<1562年10月 三好家の戦略です。>>

 うむ、でかしたぞ弾正ッ。
     城内からの内応があれば、堅牢で鳴る大和多聞山城とえども陥落は免れまい。
 お褒めの言葉を賜り、恐悦至極にござりまする。
     ただ、この弾正少弼敢えて御館様に御注進申し上げるならば・・・
     女伊達らに権謀術数の粋を見極めることなど、到底出来ぬことかと存じまする。
     ・・・謀略でこの儂を出し抜こうなどと、10年と1ヶ月程早いってこった。 ( ゚д゚)y-~~)
 く、悔しい。ノ〜T)・。・・・あ、足軽頭一人如きの内応で
     戦況が劇的に変わるなどとは、考えられないですのっ。

 武士とは褒貶を云う者に在らず、ただ鎧を胸に、手柄を足に求める者也。ニヤリ( ゚ー゚)y-~~
 きーっ。 ・゚・(ノヮT)・゚・。
 阿波白地城城代・大西覚養オオニシカクヨウより伝令!
     吉良親貞キラチカサダ率いる長宗我部軍3000余が、土佐岡豊城トサ オコウジョウ より出陣!
     白地城に向かって進軍中との事でありますッ。
 むー、懲りん奴らやなぁ・・・これで何遍目や。
 全くですな。ですが、今の白地城は城塞値が70近くございまする。
     土佐の田舎侍ずれが幾ら束に成って掛かってこようが、びくとも致しますまい。
 それは丁度良い。兄者、ここは俺に任せてくれい。
     今年元服の儀式を済ませた義賢兄者の子・三好長治ミヨシナガハルと
     俺の養子・十河存保ソゴウマサヤスのがまだだったからな。
     折角の初陣だ、勝ち戦で飾らせてやろうと思うのが親心ってモンだろうっ。
 そうじゃのう。我々四兄弟も、若いと云う歳でも無くなってきた。
     時代を担う若武者に、先達として戦を学ばせる事も重要であろう。
     ・・・良かろう。一存、長治と存保を連れて白地城に向かってくれい。
 おっしゃあッ!!我ら讃岐衆にとって、阿波白地城はもはや庭も同然よ。
     鬼十河の戦、若い衆にたっぷりと教え込んでやろう!

     誰ぞあるッ!儂の具足と、湯漬けを持ってこいっ! 出陣じゃぁ!!!


 それでは、義賢・冬康・長逸・弾正は儂に続けィ。
     新しき世の中を築く上で、宗教などと言う古臭い権威にすがる者供は
     邪魔立て以外の何者でもないッ。我らが志の牙で、彼奴らを打ち砕いてやるのだ!!

     者ども続けェいッ!! 遅れを取って、手柄を討ち漏らすでないぞーッ!!!

 おぉーうッ!!
 ・・・御意。カァーッ、厭だイヤだ。・・・熱血ごっこに儂を巻き込むのは止して貰いたいね。
            ・・・まぁいい。適当に後詰にでも回って、後ろから【混乱】でもやってよう。手柄にはなるし。
( ゚д゚)y-~~)



     
・・・今宵は、ここまでにいたしとうございます。





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