2011年大河 -姫たちの戦国-』   
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【大河『江』と戦国歴史を楽しく学べるシリーズ】Vol.2 with 大河『江』第二十一話 豊臣の妻 -

■先日、いつも当ブログの寸評を頂戴している某氏から『戦国時代ってのは確かに興味深いんだけど、大河『江』の頃…豊臣秀吉の時代ってのはあんまり面白くないなぁ。上杉謙信や武田信玄、織田信長がしのぎを削ってた頃はすごく面白いのに。』という感想を聞いたのですが…。

 それはたぶん、間違いないことだと思います。

 戦国時代の終わりはどこなのか、という区別はたくさんありますが…幾つもの戦国大名家が群雄割拠した戦国時代前期は、いわば「どこが勝利者になるのかわからない、本当の意味での戦国時代」でしたが、今の大河『江』がやっている年代は、戦国時代というより『安土桃山時代』。


 もう、織田信長が暮らした安土城や秀吉が最晩年に暮らした京都伏見城のあった桃山町の時代。…言わば、天下の覇者が事実上確定して鉄板レースになってるんです、戦国時代が。


 リーグ優勝チームが決まった後のプロ野球の試合、早く言えば消化試合

 豊臣秀吉にとって最大最強の好敵手だった徳川家康が白旗を振った時点で、猿の戦国リーグ優勝は決まったも同然なわけで…あとは圧倒的武力で豊臣太閤桐の軍旗が日本全土に残された弱小チーム、北条氏政や伊達政宗を踏んづけていくのを眺めるだけな時代、勝ちが見えてる試合が面白く無いのは当然です。( ・(,,ェ)・)





 おまけに、豊臣秀吉は事礼(そうぶじれい)という私戦禁止令、早く言えば『もう関白豊臣家が戦国時代を終らせて天下泰平にしてやったんだから、お前ら勝手に喧嘩するな』という触れを出していたため、もはや何でもありの戦国乱世の闘争は過去のものになっていました。


 槍一本と野望だけでは、もうなにも出来ない時代になっていたんです。

 たとえ、謀反や下剋上を起こしてどこかの城を奪ったり合戦を起こして戦国武将を殺しても、その土地が豊臣家の所領だったり秀吉に臣従している大名家だったら、それは大変なこと。


 その気があるないに関わらず、豊臣家に弓を引いたということになるのです。


 『豊臣家や豊臣家に従属してる大名家にやんちゃをした=豊臣家に喧嘩売ってる=ふーん、関白殿下に逆らうって意味だよね?→事を起こした数ヵ月後には、豊臣軍十万〜二十万が物凄い勢いで攻め込んでくる。』



…――これでは、よっぽどの馬鹿か命知らずしか反乱や下剋上を起こしたりしないでしょう。(*-(,,ェ)-)





 少し前に大河『江』で九州の島津義久が討伐を受けたのもこの惣無事礼に逆らい、既に豊臣家へ臣従していた豊後の大友宗麟を攻撃してしまったからです。

 幾ら精強で、鬼島津と讃えられた武勲を誇る島津家であっても秀吉は容赦しません。


 それまで九州鎮西で最強だった薩摩隼人の島津軍を圧倒的物量で叩き潰した豊臣秀吉。しかし、惣無事礼に逆らう馬鹿はまだ関東や奥羽には存在していました。

 それが、相模北条家…大河『風林火山』で甲斐武田家や駿河今川家と関東三国志を演じた戦国大名最後の古豪。

 そして、奥州の独眼龍…伊達政宗、遅れてきた戦国大名こと戦国最後の新星武将です。


 豊臣秀吉の天下統一、もはや勝ちの見えてきた覇道の最後に立ちはだかる相模北条家と奥州伊達家。未だに顔を見せていない二人の戦国武将はいったいどうやって猿の天下に牙を剥くのでしょう。

 そうでなくても面白くなくなりつつある戦国時代終盤、大河『江』はどういう風に盛り上げてくれるのか、今から楽しみです。

 
( -(,,ェ)-)色んな意味で。



 さて、閑話休題。今回は先週の予告どおり【大河『江』と戦国歴史を楽しく学べるシリーズ】Vol.2の御案内です。
 今や日本全土に頒布し、様々なメディアや商品戦線に広がる一大流行となった戦国時代ブーム。

 しかし悲しいかな、カッコ良さと現実、恐ろしさと悲劇、そいでもって噴飯ものの嘘偽りがごった似になってしまったその歪な様はまさしく暗闇で似た闇鍋の如し。

 『とんでもない』知識が正統派とまかり通ってしまう不思議領域が世の中には広がっています。

( ・(,,ェ)・)oO( なんで『上杉謙信』で画像ぐぐる検索かけたら、一番に女の子の絵が出てくるんだ?ちなみに似たような現象は『関羽』でも起きる。 )

 そんな玉石混交、楽しい闇鍋状態の戦国知識の百花繚乱から、自称歴史痛の赤髭が『これは良い』と思った知識の案内人を紹介するのが【大河『江』と戦国歴史を楽しく学べるシリーズ】。

 今週第二回では、先週の『マンガ』から一転、同じ紙媒体ではありますが本格的な知識と歴史的事実を獲得できる資料集や書籍のご案内をしていきます。

■それでは、御一緒して頂ける皆さまの御時間を少々拝借。。゜+. m9っ;・`ω・´)っ 。+.゜ Time Stopper !!




■まずは基礎基本からということで、敷居が低いながらも広範囲に浅く戦国時代の知識を紹介したこの本から。

 『戦国武将ものしり辞典』とありますが、実際の内容は戦国時代の衣食住、文化や風習、貨幣価値の解説など武将以外のことに関する知識もかなり豊富にそろっており、かつわかりやすい文面で多岐に渡り紹介されているのが特徴です。
 
 ぱっと見が分厚く重厚な出来栄えの本なため、初見ではまず間違いなく尻込みしたくなりますが、内容は見た目ほど難しくありません。

ゲームや漫画から戦国時代に興味を持ったけど、本格的な歴史も知ってみたい。けど、学術書みたいなかたっくるしくて専門用語全開な内容の本は読みたくない。

 という方には、ちょうどよい戦国知識の基礎学習になると思います。

 『銭一貫文とか米五百石とか、禄高何万石だとか大河ドラマとかでよく聞くけど、実際の貨幣価値に置き換えるとどうなるんだろう?』とか、『小姓と殿の関係…よくやおいだモーホーだと薔薇ちっくに言われるけど、本当はどうなのかな?』とか、『戦国武将の性格とか、アニメではあんな感じだけど正味のところどうなんだろう』などなど、

 誰もが考えがちな疑問やトリビアが紙面を惜しめといわんばかりに詰め込まれています。


 赤髭が個人的に嬉しく感じたのは、巻末間際の終盤に付録的に記載されていた戦国武将の墓の所在地だとか戦国時代にまつわる博物館・歴史民俗史料館などの一覧表でしょうか。
 特にお墓は一覧で紹介されている書籍を他に知らないため、案外と重宝しています。

 ――…と、まぁ…ともかく、辞典という肩書きと分厚い風体、そして値段と色々購入を思案させる条件が多いこの書籍ですが、戦国時代を深く、友達に自慢できるようなトリビアをてっとり早く集めるのならばこの本が最適ではと思います。

 実際、赤髭が二言目には話したがる戦国歴史に関する知識の五割方は、このものしり辞典からの出典だと言っても過言ではありません。

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◆赤髭の『ココはチェック!!』
 上記では『戦国武将』以外の知識が目白押しと御案内しましたが、もちろん題名に偽りはなく、本家の戦国武将に関するコラムやトリビアも多数紹介されています。

 あの戦国武将がどんな性格・信条・人生訓・エピソードを揃えているか、その生涯の最後は何が原因だったのか、初陣はいつか、どのような合戦で手柄や失策があったか、などなど…

 著名な戦国武将に限りますが、辞典というジャンルではなく、戦国武将や戦国時代の知識を一冊に集めた読み物的な雰囲気といったら良いでしょうか。

 もちろん、戦国武将の本領、桧舞台である合戦や戦に関する習慣などの知識もふんだんに揃えられていますので、以上のような特徴をすべて踏まえれば、この本の値段とボリューム・内容などのコストパフォーマンスは非常に優秀です。(´・ω・`)b
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■奈良本辰也監修『戦国武将ものしり辞典』は、主婦と生活社から定価2,000¥で販売中です。


 ( ・(,,ェ)・)oO( …―と、かなり手離しにベタ褒めしてご案内した「戦国武将ものしり辞典」ですが、広範囲に膨大なジャンルを浅く。という内容傾向は、裏を返せばそれぞれの知識に関する基礎入門編止まり、ということになります。

 また…ものしり辞典を読んで興味を覚えた戦国知識のジャンルがあれば、その分野に関する書籍を新たに買い求める…など、言ってみれば戦国歴史痛へのホップステップ的役割には大いに期待できる本ですが、知識が深まってくるとだんだん紹介されている知識の矛盾や誤植、誤りも座視出来ない箇所があると気づくはずです。

 本格的に戦国時代知識を活用・獲得するなら、この本を踏まえてさらに専門的な本に挑戦する必要があります。)




 さて、二つ目に御紹介するのは…これも楽しく判りやすく戦国時代の知識を得るにはもってこいでしょう、『新版 戦国史新聞 乱世の激動を伝える天下無双の大号外!』をご案内。


 割と小中学校の図書室や公営図書館とかにも置いてあったりするので、読んでみた方も多いかも知れませんが…ふんだんに採用されたイラストや写真画像、そして実際の新聞よろしく著名な歴史事件を大見出しで時代年代順にスクープ記事風で紹介するこの本、その視覚的判りやすさはまさしく決定版、折り紙つきです。


 特徴的なのは、その題材通り『現在の新聞風に徹した紙面と歴史紹介記事』でしょうか。

 桶狭間の合戦や本能寺の変などでは『号外』と称し、紙面をその事件のみに大きく割いたり、その事件に関係する歴史上の人物のインタビューなどが掲載されたりと芸はかなり細かいです。
 
  ときおり入る宣伝広告や他紙週刊誌の紹介もしっかり戦国時代風で、『戦乱をいろどる足軽の実態!!』とか、女性週刊雑誌『女房自身』だとか…実在する週刊誌のにおいを感じさせたり、黒字白抜きの文字でデカデカと乗るセンセーショナルなゴシップ記事内容は、思わず「この雑誌買ってみてえ( ;・`ω・´)」と微笑ましく感じることうけあいです。

 
 大河『江』ではすでに終盤に差し掛かりつつある戦国時代ですが、この戦国史新聞ではその百年以上の長きにわたる戦国時代を応仁の乱直後から大阪夏の陣終了後までの約百五十年間をしっかりと追跡、数々の歴史事件をスクープしています。

 大阪城のなかばかりで展開される大河ドラマでは把握しがたい歴史の流れや戦国武将、時代のキーパーソンとなる戦国大名たちを時代ごとに整理して知識とできるのも、この書籍の大きな強みのひとつです。
 
 
 『戦国時代の歴史に興味があるけど、NHKの歴史ドキュメンタリー番組だとか堅苦しい解説書を見るほどってほどでもない

 『武将好きだけど文字ばっかりの退屈な文章は拒否反応が…


 といった方には是非お勧めしたい本です。


  読みやすい新聞調の簡潔な文章を短時間に気軽く、絵や写真中心に時代ごとの戦国歴史を大判紙面で楽しく吸収できる1200円。 

  安くはない価格かも知れませんが、決して損はしない出来栄えだと赤髭は太鼓判です。 m9っ;・`ω・´)っ@←タイコバン


■戦国史新聞編纂委員会『新版 戦国史新聞 乱世の激動を伝える天下無双の大号外!』は、日本文芸社から定価1,200¥で販売中です。


 ( ・(,,ェ)・)oO( さて、『見て戦国歴史を楽しむ』という意味でご紹介した戦国史新聞ですが…―初心戦国時代Fanには整理が難しく誤解を生じやすい時代ごとの歴史を丁寧に縫っている内容の反面、歴史の流れにあまり影響を与えなかった戦国武将に関する情報や文化人の登場は当然ながら、やや物足りなさを覚える内容ではあります。

 戦国時代好きもある一定のレベルを超えると、信長・秀吉・家康といった戦国三大英雄以外の戦国武将に興味や敬慕を抱くようになりがちですので、そういった向きのある戦国歴史Fanの皆様にはちょっと不満が残るかも知れません。)





 今回の最後に御案内するのは、少し変化球をかけて…いまや戦国歴史ブームで最高の成功者となった感のある「コーエー」様が、今を遡ること十八年前に出版した『信長の野望 覇王伝事典』です。



 『え。それって、戦国歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズのガイドブックみたいなもんだろう? 
 しかも、覇王伝は信長の野望シリーズ第四弾…世間ではPC98シリーズ全盛、windowsすら生まれてないころの超骨董品じゃないか』

 ですって?


 はい、いちいちごもっとも。( ・(,,ェ)・)



 しかし、この本をただの時代遅れな過去の戦国時代ゲームの関連書籍としておくには勿体ない理由が、二つほどあります。


 まず、『内容の解説やジャンル、規模がとんでもなく幅広く、そして面白い内容である』ということ。


 この本の内容は題名どおり辞典形式で、あいうえお順に『信長の野望覇王伝』に関連する戦国武将や語句を解説しているのですが、そこは歴史ゲームの老舗・コーエーらしく、かなりウィットに富み含蓄の深い文面で、しかも判りやすい内容で紹介しているのが特徴的。



■上杉憲政(うえすぎのりまさ) @名家のわりにあっさりとした生き方を選んだことで己の身丈を知っていた。

 ■謀反(むほん) @謀反について何かしゃべれって?ほう。そいつはいいが、何でまたこのわしのところへ来るんだい。(松永久秀談


■後家殺し(ごけごろし) @徳川家康。

 ■源平交替思想(げんぺいこうたいしそう) A大体、こんな根も葉もない考え方が思想なわけねぇだろう。たった四回変わりばんこになっただけだ。


■源氏(げんじ) @という名のコミックがありますが、覇王伝ユーザーでどれだけの人が知っているだろうか?Aキャバレーなどのおねーさんの呼び名…というのも古いか。


■羽柴秀吉(はしばひでよし)
 A矢沢栄吉の自伝『成りあがり』はベストセラーを記録した。(中略)秀吉は尾張の貧農の子として生まれ、猿と呼ばれた草履取りから関白太政大臣まで驚異の立身出世を遂げた。

 いかに群雄割拠の下剋上とは言え、それは矢沢ナニガシの比ではない。言わば秀吉は「キングオブ成りあがり」であり、私達日本人に背筋がゾクゾクするほどのアドベンチャー・ストーリーを提供し続けてきた。




 また、戦国時代のうんちくや逸話も前掲の『ものしり辞典』に負けない充実振りで、これも辞典としてではなく読み物として立派に通用し、そして戦国知識として活用するに値する高度なネタもいくつかちりばめられています。


 『周防国って今で言うどこの県あたりのことだっけ?』とか、

左兵衛督ってどんなレベルの官職で、どんな内容の仕事なんだろう?』であるとか、

松永久秀がゲームで持ってる平蜘蛛茶釜って、何がどういう理由で貴重品なんだろう。』だとか…


 ゲームなどから戦国歴史に興味を持った方が抱きやすい疑問に、ユーモアで時にブラックジョークを交えた文面が紹介してくれているため、歴史初心者でも楽しく、わかりやすく知識が得られます。

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◆赤髭の『ココはチェック!!』

 で、『この本をただの時代遅れな過去の戦国時代ゲームの関連書籍としておくには勿体ない理由』の二つ目が、『"コーエー"じゃなくって”光栄”時代の戦国歴史知識の価値観や評価を確認することが出来る貴重な資料だから』ということです。

 コーエーといえば長い歴史に裏打ちされた本邦でも屈指の戦国歴史ゲームメーカーですが、古参のFanにはある明確な区切りがあります。…それは、『光栄』だった頃の昔と、『コーエー』となった平成近代の二つ。

 「光栄」『コーエー』両者とも同じ会社、主導者はシブサワ・コウ…襟川陽一氏なのですが、最近のコーエーはスタイリッシュで無難にまとまった一大企業なのに対し、『光栄』だった頃はかなりマニアックで、かつダーティな匂いのするハングリー精神あふれるクリエイター集団でした。


 時代の風潮が今とは違うとは言え、光栄時代は深く計算され尽くしたゲームシステムは勿論のこと、『蒼き狼と白き雌鹿』シリーズや『水滸伝』シリーズといったどちらかといえばマイナーなジャンルの歴史SLGにもこだわりと熱意を全力投球していた…早く言えば、「小規模な会社だけから嗅ぎ取れる明確な気迫、熱意」が感じられたものです。



 『大航海時代3』では歴史の事実としてアフリカ大陸の特産交易品に『奴隷』を導入したり、

 提督の決断シリーズでは『慰安』コマンドという身も蓋もない休養コマンドがあったり、

『蒼き狼と白き雌鹿』シリーズでは、『敵の国王の后を略奪し、子を産ませて後継者とできる』などなど…

 いくら時代が今のようなクレイマークレイマーなご時世でなかったとはいえ、これらの勇敢なプログラミングは光栄が歴史ゲームのフロンティアであったこと、歴史の証言を堂々と語ろうという気迫のみなぎりが感じられます。



 
 年寄りの愚痴かも知れませんが、今のコーエーは『無双』シリーズを生み出して以降、ずいぶんと雰囲気が違ってしまったように思います。

 戦国SLGもここ数年は信長シリーズと三国志シリーズ、しかもあまり出来の良くないものを思い出したように出すだけですし…儲かる部門でしか企業努力を注がなくなった感が否めません。まぁ、それが企業の本質であるのは間違いないんですが…。

 そんな古参SLG趣向者が懐かしがる、過去の熱くて濃かった『光栄』の匂いを感じることが出来るのがこの覇王伝事典です。

 老舗SLG製作会社が忘却、もしくは捨てなければいけなかった矜持や思想が、この本には見え隠れしています。

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 『信長の野望覇王伝事典』は株式会社コーエーより全一巻、定価2.600¥で発売中です。





さて、【大河『江』と戦国歴史を楽しく学んで理解するシリーズ】第二回は戦国時代の知識をより深く、コアな分野まで獲得しようと、戦国時代を解析した関連書籍を紹介いたしましたが…いかがだったでしょうか。

 次回は、もう一ひねり趣向を変えた冒頭シリーズとして【戦国歴史を楽しく遊ぶ古風なレトロゲームシリーズ】と称し、最近『ゲームセンターCX』などで注目を集めている旧世代の娯楽…"レトロゲーム"と呼ばれる遊戯のなかから赤髭が珠玉の名作であると感じた戦国SLGを紹介したいと考えています。

 容量使い放題、美麗なグラフィックと3Dポリゴンが当然となった近代の新世代機種には無い風流と熱く編み上げられたプログラムが織り成した戦国SLGの結晶を御案内いたします。



 次回の当ブログ更新に御期待ください。( -(,,ェ)-)



 ■ それでは、今回も毎度一週間遅れで大河『江』の第二十一話『豊臣の妻』、感想と歴史痛的補説の開始なのです…が。

 相変わらず、視聴していて小首を傾げるような合点のいかない展開が続いています。

 
冒頭では茶々と江が顔を歪めながら仇敵論議しているかと思えば、側室を貰っただけでいちいち正室に頭を下げる豊臣秀吉。まぁ、後者の彼については今回も安心の悪党振り&適度な間の抜けた猿面冠者振りで視聴に耐えうるものなのですが…歴史考証を担当している小和田先生の存在価値って何なんだろう…。

( ・(,,ェ)-)oO( ここまで男の立場のない戦国大河も珍しいような気がしまs…じゃない、今まで無かった。

 …――仮にも天下の太閤が顔を引っかかれるわ家臣の前で面罵されるわ、面白い展開ではありますが最近いよいよ江の暴走振りが鼻に突くようになりました。確かに、明治戦前を思えば戦国時代は女性にとって自由な時代ではありましたが…ここまでは、ねぇ…。 )


 そんな、納得いかない度の高かった今回の物語をしっかりと締めてくれたのが、やはり名優の底力というべきか…大竹しのぶさん演じる正室のおねの横顔でした。



 正室ながら秀吉の子を宿すことが出来なかった、夫を愛する妻として、戦国の女としては何をもっても贖うことが出来ない悲しみ、それを他の女性に成されたことの屈辱を超えてもなお、豊臣家の奥向きを守る毅然とした表情こそ、まさに戦国大河ドラマに相応しい威厳がただよっていたように思います。

 "姫たちの戦国"と銘打つ大河ドラマならば、男陣営の弱い顔を強く見せ付けるほど女性たちの悲喜こもごもな展開が際立つ。先ほどは汚点と欠点にしか見えてこなかった演出がここでしっかり活かされています。

( ・(,,ェ)・)oO( しかし、岸谷秀吉といい大竹おねといい、過去を返せば織田信長や柴田勝家…――赤髭が見所を見出すのはことごとく脇ですな。

 実際、それだけ三姉妹に輝く点を見出せないんですけども。宮沢りえさんとかは『たそがれ清兵衛』なんかの時には見ていて惚れ惚れするようなオーラが出ていたんですけど…やっぱりこれは脚色と演出のドナルドマジックなんでしょうか…。 )

 


 さて、次回予告ではいよいよ問題になっている茶々の子供が出産を迎える模様ですが、久方振りに悪党顔で怒鳴る秀吉の声や『いくさ?』とかいう赤髭にとってはワクワク感を抱かせずにいられない江の言葉が登場。


 いまや豊臣秀吉の側室となった茶々がようやく聞き慣れた『淀…殿。』という名前にクラスチェンジしますが、気になるのは『思い知らせてくれよう!!』と怒りに顔を歪ませる老武将と、なにやら庭園で騒いでいる旗差物つきの鎧武者集団。これはひょっとして小田原合戦のフラグか?!( ・(,,ェ)・)!

2011年大河『江』 戦国歴史を楽しく遊ぶ古風なレトロゲームシリーズ】Vol.1 with 大河『江』第二十二回 父母の肖像 感想と解説





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