2011年大河 -姫たちの戦国-』   - 第二十八回 秀忠に嫁げ -

■「上田真田まつり」の武者行列・決戦劇の参加メンバーを募集中。

 戦国の武者に扮して、上田真田まつりにあなたも参加してみませんか?親子で、お友達と一緒に、個人でもグループでも大歓迎です!

 今年も長野県・上田城跡公園で
『第29回 上田真田まつり』
が開催されます。平成23年4月16日(土曜日)に開催を予定していたところ、東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震の発生したため中止していましたが、この秋…平成23年9月19日(月曜日)に改めて開催することとなりました。



■今年三月に発生した東北北関東大震災で、多くの催し物やイベントが自粛もしくは開催禁止に追い込まれましたが…――そんな中でも珍しく気を吐いたのが、やはり真田幸村

 今が類を見ない戦国時代ブームとはいえ、未だ信州北部では震度4クラスの地震が起きるなかでの開催決定は、単なる町興しイベント敢行というわけでなく、不惜身命の六文銭…――かの真田幸村の勇敢な突撃を思い起こさずにはいられないような快挙です。




 そして、このイベントの面白いところはと言えば、何と言っても…戦国武将イベントではおなじみの鎧武者行列、あの戦国の気風あふれる重厚な鎧を着てお祭りに参加する人員を一般公募で募集しているということでしょう。 



■応募詳細

決戦劇と武者行列があります。

 
1)武者行列と決戦劇に参加
決戦劇に徳川軍として参加した後、武者行列に真田軍として参加 ※簡単な衣装替えがあります。
35名 募集中
(2)決戦劇のみ参加 徳川軍として決戦劇のみに参加
※簡単なチャンバラの配役があります。
50名
募集中
(3)武者行列のみ参加 幸村なりきり隊に自前の衣装で行列のみに参加 60名
募集中




参加資格:参加内容によりそれぞれ次の条件があります。
 (1)の方は、少なくとも前日と当日のリハーサルに参加できること。
 (2)の方は、2回以上の練習(チャンバラ稽古)と1回以上のリハーサルに参加できること。(日程は以下のとおり)
 (3)の方は、真田氏をイメージした衣装(赤備え甲冑、真田十勇士など)を用意でき、事前に衣装写真もしくはイメージ図を提出できること。

 (1)(2)は高校生以上(未成年者の場合は保護者の同意が必要)、(3)は年齢条件はありません。(未成年の場合は保護者の同伴が必要)

参加費:無料(衣装レンタルがある場合も無料です。)

当日の集合時間:(1)(2)の方は午前7時
        (3)の方は午前9時
        ※決戦劇終了は午後1時予定、行列終了は午後2時30分予定です。

 



■これも町起しイベントの一端なのでしょうが、その祭りの雛形…花舞台とも言うべき戦国鎧武者行列を一般から募集、というのは戦国FANとしては夢のあるお話。しかも、何せあの武田の赤備えを伝統的に継承した真田幸村のこと、貸し出される鎧具足は間違いなく…燃えるような真紅、かつて徳川家康を翻弄したであろう赤備えでしょう。


■真田幸村の義侠に憧れがある、もしくは最近のメディアで幸村FANになられたという方も…ここは一念発起、イベントに参加しては如何でしょう。赤髭は…―――この季節に、信州長野県まで車中泊でGoとなると、ちょぉっと難しそうですねぇ…。(=(ェ,,)=;)


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 ■ それでは、今回はいよいよ当ブログでの扱いがお菓子のおまけ以下だった大河『江』の感想&与太話、その第二十八話『秀忠に嫁げ』について、久方振りに紙面を割いてお話していこうと思います。



■第二十六話『母になる時』総評
  秀吉(岸谷五朗)は新たに京都伏見に伏見城を築き、第二児を身篭った側室・淀(宮沢りえ)と拾を迎え入れた。 

 秀吉のあからさまな溺愛ぶりに、関白・秀次(北村有起哉)は自分が排除されるのではと恐れ、酒とタカ狩りで気分を紛らわす。江(上野樹里)は、そんな義兄・秀次が心配でならなかった。


 そこへ家康(北大路欣也)が息子・秀忠(向井理)を伴って訪れる。


 それは、秀次のご機嫌うかがいを装った偵察だった。そうとは知らない秀次は、改めて秀忠を招き、なんとか徳川を味方につけようとするが、秀忠は悠然とかわす。


 そんな2人のやり取りを目の当たりにした江は、不安を募らせる。 そして、「淀と拾を頼む」という秀吉の言葉からその心中を察した三成(萩原聖人)が動き出す。

「太閤殿下への謀反の疑いあり」と証拠を積み上げ、秀次を高野山追放へと追い込んだのだ。

 江は、切腹を命じられた秀次のもとを訪れる。しかし、江の説得もむなしく、秀次は切腹して果てる。


 秀吉はこれに満足せず、秀次の家族をことごとく処刑し、聚楽第を焼き払った。あまりの非道に怒る江。そんな江に追い打ちをかけるように、秀吉はさらなる命令を下す。



  「そなた、嫁に行け」。


その相手は、なんと秀忠だった…。



□いよいと太閤・豊臣秀次が排除され、死に追い遣られるという、個人的には晩年の秀吉最凶の失策である大事件が発生した第二十八回ですが…さらっと流す気でいたに違いないと思っていた豊臣政権末期の人物をこと細かく、色んな角度からスポットを当てて描写しているのに気づかされます。

 前々から赤髭は二言目には『江には戦国武将の登場人物があまりにもな過ぎる!!』と文句を言っていたわけですが、ここ最近の江に近しい人物の相次ぐ逝去や印象の薄かった夫・秀勝(AKIRA)の死、そして今回の義兄豊臣秀次の切腹など、一回に起きる事件の数が依然とは段違いに多いのがここ数回の特徴。

 知名度はなくても江姫に親しい人物に的を絞り、あくまでも『姫達の戦国』という視点で物語を織り成していくうえでは、遠く四国や九州、小田原城に名護屋城…朝鮮半島まで場面を動かす必要性も薄ければ、加藤清正や福島正則の登場しなければならない都合もないのかもしれません。

 もう時代の覇者・豊臣秀吉の権勢も一門衆の瓦解もあって早くも先行き不安。

 今まではコミカルな三枚目から奸智に長けた参謀役と忙しくキャラを変えてきた石田三成(萩原聖人)が、主君の為に豊臣家を守らなければいけない、と顔をくしゃくしゃにして言う場面などは、視聴者が覚えきれないほど豊臣家の武将達をキャスティングしていると時間の都合もなくなり、深い描写も出来ないでしょうし…『戦国武将があまり登場しない、お姫様主体の戦国物語』だからこそこ出来たことだといえます。

 石田三成の背後事情や後の挙兵の理由を説明できていた大河って、振り返ればそんなにあったようには思いませんし。(小栗旬さんが三成役を後援した09年大河『天地人』でも、その変の描写はわりと薄かったようですし。)



 今思えば…――『話が戦国ものらしくない』『江が適当に暴れて周囲の戦国武将が振り回されてる』『時代考証がわやくちゃだ』という大河『江』の非難囂々も、ようするに商業的な勝利を収められれば問題なし、じゅうぶん聞き逃せる苦情だったかも知れません。

 まじめに戦国大河して玄人受けは抜群だったけど視聴率的には振るわなかった07年大河『風林火山』で、NH○様は大河ドラマの"本当の作り方"に、気づいてしまったんじゃないか…最近はそんな風に考えている次第です。


■今回のお話のポイントは『伏見城建設』『太閤豊臣秀次の粛清』『秀次の死と一門衆虐殺』『江、秀忠に嫁ぐ』の四ポイント。

 いろいろ詰め込みすぎた感のあった前回と比べ、今回は秀次の死と秀吉の衰退振りが視聴者に強く印象付けられ、結婚についてよりも『豊臣政権の没落の足音が聞こえる』というイメージを視聴者に気づかせる回だったように思います。


 特に、豊臣秀次を好演されていた。北村有起哉さんの表情や…養父に愛されず後継者としても肩身が狭くなり、弟も失って将来に嘱望が持てなくなった哀れな二代目の顔がすばらしかったです。

 相変わらず主人公の姫君は暴走機関車、秀次に合わせまいとする三成に対し『秀次に会わせよ、死ぬのは怖くない』とか言って命で脅迫するようなこと言ったりとやりたい放題でしたが…『あんたこないだ娘生まれたばっかりだろ』という突っ込みを入れたくなりますし、相変わらず表情や挙動に感情移入できる熱気というか、器がない。

 何度も同じ評価で申し訳ありませんが、姫たちの戦国ながら、『あぁ、見ごたえがあったなぁ』と思った回は毎回戦国武将が物語りの主役だった回という皮肉な内容だった気がしなくもないです。 



 今回のMVPは、赤髭としてはぶっちぎりで豊臣秀次です。




 戦国歴史SLGなどではどうしようもない低能力をつけられ、戦場でも目立ったエピソードがない秀次ですが、彼が領地としていた近江八幡に施した政治がすばらしく領民に慕われていたことや、ことあるごとに散財したがり的確な財力管理が苦手な秀吉と違い経済観念に優れていたこと、また当代でも類を見ない風流人であったことなどを見ても、決して無能な二代目というわけではありません。


 あのまま秀頼が生まれなければ太閤という名の大御所・豊臣秀吉の庇護を受けて立派な二代目となり、それこそ…今回に江が嫁いだ徳川秀忠の様に『偉大な二代目』として歴史に名を残す可能性があった武将なのです。

 江が嫁いだ徳川秀忠が歴史の二代目という人物枠で 陽 であるなら、秀次は 陰、しかも自身の失策落ち度はなく…ただ『後継者問題で幸運に恵まれなかった』という、悲しいもの。



 最終的には歴史的に見て勝ち組になる江ですが、姉が中枢部まで入り込んだ豊臣家が今後どうなっていくのか。豊臣家とは今も潜在的な敵同士である徳川家に身を移すことになった江の運命はどうなっていくのか。

 秀次の死もそうですが、一世一代の英傑・豊臣秀吉の晩年という歴史の波乱を予感させる時代背景。今後は物語に大きな変化が予測され、またそれを予感させるようなお話でした。



■ さて、今回もリベラルを装った歴史痛視点(蹴)での感想でしたが…いかがだったでしょうか。

 次回予告では、江にとって最後の結婚相手、生涯の夫婦になるはずの徳川秀忠(向井理)がしきりに顔を出していましたが、慇懃な徳川家康の嫁入り要請に対し、秀忠が挟む台詞は臍曲がりな言葉ばかり。

 今は亡き父母の仇敵であり、姉を奪っていった男の養女から一転、その潜在的な敵の大名家へ嫁ぐことになった江。

 太閤豊臣秀吉の衰えも著しい天下泰平も長くは続かず、いずれ三姉妹にも次代の波が襲い掛かっていきます。戦国武将達の華々しい浪漫のうらにしっかりと生きた女たち、姫達に待ち受ける命やいかに。

2011年大河『江』第二十九回 最悪の夫 感想と解説





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