2011年大河 -姫たちの戦国-』   - 第二十九回 最悪の夫 -

■さて、先ほど赤髭は一足先に大河『江』第三十四話、「姫の十字架」を視聴させて頂きましたが…何と言うか、相変わらず江・徳川秀忠夫妻は

『それはひょっとしてギャグで言っているのか?( ;=`ω=´)

と言わざるを得ないようなスィーツ過ぎる発言を繰り返しておりました、はい。


 …――徳川家康の嫡男である秀忠をひっつかまえて『武士やめよう、百姓になろう』とか…たとえ冗談と判っていても、正気かと突っ込みたくなります。( ・(,,ェ)・)oO( 今日も『姫たちの戦国』は平常運転。 )

 勿論、今宵を最後に物語から退場する細川ガラシャ(ミムラ)の悲愴な最後(姫たちの戦国、と題した割りにえらい扱いが小さかったですが)や、石田三成(萩原聖人)・徳川家康(北大路欣也)といった大物戦国大名が遂に天下分け目の大戦・関ヶ原の合戦を勃発させるなど、歴史痛的にも見所が抜群な展開も確かに多くありました。


 と、いうわけで…――そういう江の良い場面を拾っていく意味でも今宵は第二十九話の感想・解説を御紹介していきます。


 それでは、御一緒して頂ける皆様の時間を少々拝借。 。゜+. m9っ;・`ω・´)っ 。+.゜ Time Stopper !!




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■第二十九回 『最悪の夫』総評

 話のあらすじは1595年(文禄四年)、京都伏見城から。亡きかつての夫・豊臣秀勝(AKIRA)が朝鮮の巨斉島で戦病死してから三年、娘の完も四歳に。

 養父・豊臣秀吉(岸谷五朗)から唐突過ぎる徳川家への嫁入りを命じられ、外交の道具扱いに例によって激怒した江(上野樹里)。
 秀吉の側近・石田三成(萩原聖人)が婚礼について話を勧めるが耳を貸さない。一方、徳川家康(北大路欣也)から説得された婿側の徳川秀忠(向井理)は、シニカルかつ投げやりにそれを受諾する。




 姉・初(水川あさみ)までもが婚約を説得するが、相変わらず江は意固地。三成は着々と婚礼準備を進める。例によって(?)ぶち切れて帰ろうとする江に、とうとう徳川家康までもが説得に訪れた。




 天下人・秀吉はものともしない江だが、何かと家康には弱い江。バツ2だ、六歳も姉さん女房だ、子供がいる。豊臣家の命令に逆らえないんでしょ?しかし、そこは家康。それらの言葉をのらりくらり。さらに秀忠との不仲を告白し、江ならば秀忠を御することが出来ると太鼓判。


 『なぜそこまでして私を買うのか。』と至極当然な疑問を訴える江。それに返した家康の言葉は『わからない。しかし、貴女は宝を持っている。』と意味不な殺し文句。



 その直後に嫁入りイヤイヤ宣言を翻し、突如として結婚を決めた江。姉の初が思わなくってもコロコロ変わるとぶっちゃらける。

『叔父に、嫁に行けと言われたような気がして』
 十三年前に死んだ人に言われた気がして人生変えれる姫様も珍しい。ある意味一途だと言えなくもない。


  江の徳川家嫁入りを聞かされ驚嘆する茶々(宮沢りえ)。そんなことは聞いてないと怒り、先に切腹して果てた豊臣秀次のことを引き合いにだし、詰め寄る。

 しかし例によってここ最近頭の回転率が最盛期のン%しかない秀吉、すべては拾と豊臣家のためと、眉のない狒々親父よろしく微笑むばかり。

 そんな納得しかねる茶々を説き伏せにかかったのは石田三成。婚約そのものを不服としていた彼女を説得した挙句、江から完を取り上げるように頼むのだった。


 いよいよ婚礼が本決まりになり、江にこの縁組の必要性を説く秀吉。例によって『徳川家のために嫁に行く』と突っぱねる暴走養女に、愛娘・完を『おいてけー。』と差し押さえる秀吉。見てて清清しいほどに黒い。



 そしてその瞬間沸騰湯沸かし器で婚約破棄、家康の顔をあっけなく潰す江。しかし、茶々がすかさずレシーブを入れると即座に納得。この軸のぶれっぷり、菅直人前首相を髣髴とさせるものがある。


 夜、江のもとを訪れる石田三成。完を『おいてけー。』宣言させたのは自分だと暴露する。例によって(何度目だ)ぶち切れる江。しかし茶々はすかさず過去の自分達が父母の仲違いや御家滅亡でどんな目にあってきたかをフィード&フラッシュバックさせ、即座に暴走お姫様を納得させる。

 いつか豊臣家と徳川家が敵同士になるかもしれない。そのとき完がどれだけ苦しむことになるか。いやなフラグ上げる茶々。完は守るとか、守れたものの方が皆無な江が言っても困る。しばらく考えろと茶々は冷却時間をおくことに。


 結局、完を茶々に託して徳川家への嫁入りを決意した江。二度と会わない、その覚悟で遂に江は最後の夫・徳川秀忠に嫁いでいくことになった…――二度と、娘とも会わないという覚悟で。

 で、そんなこんなで御対面となった江と秀忠。人生に流されるのではなく気が向く方向に流れていくと今さら宣言する江と、けっきょく流されてるだけじゃんとシニカルに、わりと冷静に突っ込む秀忠。最後の最後は『どっちかが夫婦になりたいというまで意地っ張り対決』宣言で締め。―――BGMも悪いが、話の展開もよくないぞと誰もが思ったところで「終」。




■話がシリアスになったりラブコメテンポになったり。感情移入が難しい展開。
□さぁ、いよいよ大河『江』も中盤を終えて佳境へ。今までさんざん婚姻で貧乏くじを引いてきた主役の暴走お姫様が最後の嫁入りを達成しました。今回は、その二転三転する江の心模様や周囲の人物の動きに終始した展開だったように思います。

 例によって皮肉っぽさ100%のひねくれ秀忠ですが、どうにも雰囲気が軽い。今はまだフラグが上がり切っていないのかも知れませんが、『ゲゲゲの女房』で発揮された存在感の頼りがいとかが目下はまったく感じられません。( ・(,,ェ)・)


 これが終盤の最重要人物になるんかと思うと色々不安だ。



 徳川家康と本多正信(草刈正雄)は安心の存在感。ただ、『あんたは宝を持ってる気がする』という殺し文句、言葉変えれば『なんだかよくわかんないけど、いい線行ってる気がするんですよ』という意味にも取れる。

 たまたま故・織田信長の言葉とかぶっただけで結婚決意させれるキラーパスかは甚だ疑問。

 ただ、姫たちの戦国。と銘打っただけあって…後々、歴史の流れにおいて様々な悲喜こもごもの命運を辿る三姉妹やその関係者がほぼ全員顔を出し、フラグを敷設していったような気がする。特に石田三成は重要なフラグを立てた予感。

 今回のお話の要点は『江、秀忠の嫁になる』『秀吉の秀次一家ジェノサイドは豊臣家と茶々のため発言』『江に愛娘を置いていかせる理由』『将来、豊臣家は徳川家と敵対するかも発言』。

 とくに最後の茶々と江の会談シーンは意味深。ネタバレしてない視聴者の皆様はここをよく覚えておいたほうが良いかも。



【大河『江』、今週の注目人物!!】
 やはり石田三成でしょうか。江に完を置いていかせるよう茶々に説得させる布陣を敷いたのは豊臣家中屈指の策士・石田治部少輔なわけですが…――最後、ろうそくの揺れるシーンでみせた妙な振り返りと何か腹に一物もってそうな表情。関が原合戦に向けての前準備か?



【大河『江』歴史物語 〜物語に隠された裏事情〜】

■最近なにかと注目されてる御様子の豊臣秀吉、その最大の失態とは?

 さて、今回も赤髭がある意味一番しっくり来て、安心してみられた人物といえば…やはり、視聴者にも抜群のやな感じ的印象を与える暴虐の天下人・豊臣秀吉。



 前回では一度後継者に据えたはずの甥・豊臣秀次を一族もろとも滅亡させ、それを『豊臣家と茶々を守るため』とかのたまってみたり、徳川家に嫁入りしていく江に向かって、まるでモノでもとりあげるかのように『おいてけー。』と言い捨てたシーンなどで、やはり気になる方もいらっしゃるのか…



 ここ最近、当ブログを閲覧に訪れる皆様の検索ワードの一位は『江 感想』ではなく『豊臣秀吉 性格』がぶっちぎりで一位だったりします。(苦笑

■たぶんこの記事に引っかかってるのかも。と思い実は密かに加筆修正してます。


 さて、そんな一般受けする人気もカリスマも斜陽に入った天下人・豊臣秀吉ですが、さすがにその頭脳明晰さにもかげりが出てきたのか…。


 この頃のエピソードとして…後に『豊臣家滅亡の銃爪(ひきがね)になったであろう壮大なポカをやらかした話しが伝わっています。



 前回、血のつながった甥であり一度は後継者と定めた秀次を族滅し、その遺体を埋めた墓を『畜生塚』と名づけるほど冷酷な地盤固め、LoveLoveお拾たんを立派な豊臣家後継者とすべく頑張った豊臣秀吉、いったいどんなヘマをやらかしたんでしょうか。


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□ぃぇぁ。これが二度目の登場になるかのう。
 御存知、尾張の貧農の倅から山王日吉神社の申し子、足軽から関白太政大臣に成り上がった一代の風雲児・豊臣であるッ。


 赤髭めが散々ばらに余の『とあるエピソード』を失策だ何だとこき下ろしておるようじゃが…――これはかなり信憑性のない、緩いお話だと最初に言っておくぞ?


 今回第二十九話は、京都伏見城が舞台だったわけじゃが…この頃(文禄四年、1595年)の時代を『安土桃山時代』というのは、余が最後に居城とした伏見城が京都の桃山町にあったことに由来しておる。

 当時は桃山町という地名は無かったため、安土伏見時代と言うべきだと主張する者もおるようだがな。



 しかし、この稀代の英雄・豊臣秀吉の権威の象徴であり、その居城の代名詞といえば…やはり大坂城ということになるじゃろうのう。

 平成の世に残った大阪城など比較にならんほどの巨大さを誇った豪華絢爛、堅牢無比なこの超巨大要塞は当時、城郭としての敷地面積ならば世界最大級じゃった。

 このことは、もう追放済みじゃが…キリシタン伴天連たちが『こんな城はおそらくヨーロッパにも無い』と褒めちぎっていた安土城をあらゆる分野で凌駕していたことを思えば、おそらく間違いないじゃろう。


 しかし、わしも後のことを考えればバカなことをしたものじゃ。

 実は、ある日…ついうっかり調子に乗りすぎてな、大坂城を見物しにきたある者に『とんでもないこと』をしてしもうたのじゃ。


 さて、お主らは余がいったい、どんなポカをやらかしたか知っておるかの?


 以下の四択より答えるが良い。例によって、他の連中と違って一項目多いのが太閤流よ。果たしてこの難問が解けるかな?

 ヒントは…――『猿もおだてりゃ木に登る』かのう。

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@ 朝鮮出兵後の和平交渉で大坂城を訪れていた李氏朝鮮の使者の頭を、上機嫌のあまり鉄の扇子で思いっきり引っぱたいてしまった。これが原因でのちに朝鮮出兵が再開し、力が衰えた大坂城は落城した。


 A 大坂城の見物に来ていた徳川家康から『こんな城、太閤殿下でも落とせないんじゃないですか?』と持ち上げられ、得意のあまり心中にしまっておいた「大坂城攻略法」をのうのうと家康に伝授してしまった。家康はのちに、このときのアドバイスをもとに大坂城を陥落させた。


B 大坂城見物に訪れていた奥羽の大大名・伊達政宗と最上義光を公然の前で『田舎者めが、こんな城は見たこともあるまい!!』とあざ笑ってしまった。後に、両名はこのことを根に持って豊臣家と敵対することになった。


 C 大坂城のデザインについておすぎとドン小西に『センスがない』と酷評され激怒、大城を訪れていた日本ブレイク工業に命じて城の一部をブレイクしてしまった。後にこの部分から敵に攻め込まれ、大坂城は落城した。


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 …またまた太閤殿下直々に乱入されてしまいましたが…―――さて、一項目除いて…お調子者の秀吉ならどれもやっちゃいそうなことばかり。いったいぜんたい正解はどれなのか…ですが、答えは次回更新にて発表いたします。 


 はいそこ、wikiで調べて先回りしない。( ・(,,ェ)・)


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■大河『江』 第二十九回【最悪の夫】
【註・あくまで歴史痛の観点から視聴した個人的感想です。】



■総合 ★★★☆☆ あれだけ意固地になっていた、ってかなって当然の江を一気に、なんだか納得いかない理由で徳川家嫁入りを決心させた回にしては話の流れがいま一つ。やっとのことで出来た愛娘・完と『宝をもっているような気がする』なんて曖昧な理由で、叔父に説得されたようだからと言ってあっけなく置いて来るのはいかがなものか。あと、ここ暫く黒かった三成が急に漂白されたのも気になる。( ・(,,ェ)・)

■戦闘 ★☆☆☆☆ 今週もびっくりするほど皆無でした。まぁ、ある意味終盤の秀忠・江が寝所でぶつけあった妙ちくりんな意地ッ張りもいくさといえばいくさかも知れませんので、贔屓目で★ひとつ。

■俳優 ★★★☆☆ 今週は岸谷秀吉こと関白殿下は大人しめ。あん人の驚きの黒さというか性格のゆがみ具合が唯一の見せ場なのに。あと、向井秀忠は相変わらずあっさりしたひねくれっぷりで、今のところ武将としての風格が皆無。こまったもんだ。

■恋愛模様 ★★★☆☆ 終盤、寝所での秀忠vs江のシーンを恋愛模様といえばそうなのでしょうか。しかし、どこまでもお姫様本位の大河である。

■役立知識 ★★☆☆☆ 今後も、大河の主役としてはびっくりするほど子宝に恵まれることになる江ですが、最初の娘が豊臣家に居残りになったというのは史実。わりとどうでもいいことを堅実にトレースしてくれるのが………歯ぁがゆいッ。(。=(,,ェ)=)。(川平慈英)

■歴史痛的満足度 ★☆☆☆☆ 大河『風林火山』と平行してみてるせいかギャップがひどい。まぁ、この項目評価は純粋に赤髭が向くか向かないかなので、話半分の評価で。


□江紀行で紹介されたのは静岡県/浜松市。
 かつて徳川家康と武田信玄による激闘が繰り広げられた城で、今は家康の嫡男・信康の墓がある二俣城址・清瀧寺、家康の次男・結城秀康が誕生した中村家住宅、そして今週江とイヤイヤ夫婦となった三男・秀忠が生まれた浜松城址・二の丸跡・秀忠誕生の井戸などが紹介されています。

2011年大河『江』第三十回 愛しき人よ 感想と解説





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